モジャ公

 

 

 ■作者のことば

『モジャ公』は好きな作品です。おおいに楽しんで書きましたが、評判はパッとしませんでした。それほどひどくつまらないとは思えないのですが。とにかく読んでみてくれませんか。立ち読みでもいいから。〔第1巻〕

この作品は“一大科学空想未来現在怪奇冒険日常生活戦リツ恐怖ユーモア犯罪超特作マンガ”です。いったいなんのことか。読めばわかるのです。〔第2巻〕

昭和46年 虫プロ商事刊 『モジャ公』1、2巻より  

 

 ■“モジャ公”誕生の顛末

 言われる前に自分で言っとくけど、実はこの“モジャ公”は“21エモン”の二番煎じです。なんで二番煎じなど。どうせ書くなら新しい物を書けばいいのにと言う疑問には後で応じるとして、先ず“21エモン”がどんなまん画だったか、簡単に説明させてください。
 僕は“オバケのQ太郎”で一つのパターンを作りました。ごくありふれた生活環境の中に、突然、異分子がとびこんできたらどうなるか。たとえばオバケがすみついたとしたら、それまでの平凡な暮しがどう変るか。どんな困ったことや、どんな面白いできごとが起きるだろうかと考えてみる、SF(ごく広い意味での)生活ギャグまん画です。
 このパターン、やって見ると面白い。僕の個性に合っていたのでしょうか。様ざまなバリエーションが作れるのです。異分子をスーパーマンにすれば“パーマン”になり、異星人を住みつかせれば“ウメ星デンカ”、未来ロボットで“ドラえもん”が書けるというぐあいです。“21エモン”もその流れの中の作品で、エイリアンが続ぞく登場。異分子が一杯というわけ。ただし舞台になる生活環境が、21世紀のトーキョーという点が他の作品とのちょっとした違いでした。
 このちょっとした違いが明暗を分けたのでしょうか。作者が面白がって書いたわりには読者が面白がってくれなかった。連載は終らざるを得ません。書き残した材料は、まだまだあったのに。ま、よくあるケースです。
 そこへ『ぼくらマガジン』から新連載の依頼がありました。低学年読者を対象としたギャグまん画を、ということです。そこで、ま、言ってみたわけです。
「“21エモン”を続けたいんだけど。もちろんキャラクターも設定も変えます。でも中身は二番煎じになるけど。いいかな?」
“モジャ公”はこうして生まれました。主人公が宇宙生物とロボットのトリオで宇宙へ家出。様ざまな星で様ざまな冒険を重ねて行くというストーリーです。テーマは異種文明との出会い。そのギャップにうろたえる三人の姿がギャグになります。ただし生活まん画の色彩はほとんどうすれてしまいました。もう一つ、各回読み切りでなく連続したストーリーになったのも他の作品とは違った点です。
 何しろ舞台は宇宙。何を書いても文句のない世界。思うままに空想の翼をひろげて楽しむことができました。毎週次の回が待ち遠しくて「さあ、彼等はこれからどんな運命をたどるのだろう」とワクワクしながら書いたものでした。でも結局、今度も面白がったのは作者だけということに……。
 そんなわけで“モジャ公”を知ってる人は、そう居ないと思います。幸い中央公論社から総集篇を出していただけることになりました。再び陽が当り、主人公トリオは大喜びです。この本を買ってくださったあなた。“モジャ公”に暖かい御声援を!

   一九八九年六月

平成元年 中央公論社刊 『愛蔵版 モジャ公』より  

 

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