のび太と銀河超特急

 

 

 ■藤子・F・不二雄先生からみなさんへ

 みなさんも、夜の星を見たことがあるでしょう。空には、たくさんの星が輝いていますね。まるで吸い込まれそうじゃありませんか。そこには、未知の生物が住んでいるかもしれない。文明が発達しているのかもしれない。都市があるのか……。
 そうです、この宇宙はどのくらい広いのでしょう?実はまだよくはわかっていないのです。まだまだ、宇宙は謎と神秘の世界なのです。
 というわけで今度の映画では、のび太くん達は、ドラえもんが3日も並んで買ったミステリートレインの切符がきっかけで、夜空へ旅立つことになりました。
 はじめはごく普通の冒険旅行のつもりだったのです。ところが、どういうわけか本当のミステリーツアーになってしまいました。のび太くん達は大あわて。
 いったい終点には何が待っていたのでしょう?
 さあ、皆さんもいっしょにこの不思議列車でハラハラドキドキの冒険旅行に出かけてみませんか。

『ドラえもん のび太と銀河超特急』劇場用パンフレットより1996年3月発行  

 

 ■作者のことば

 行く先はわからないミステリー列車。今回の舞台は大宇宙です。
 着いたところはドリーマーズランド。数々の小惑星で楽しめるはずが、人間を狙うヤドリ天帝らに襲われてしまいます。列車を破壊されたのび太たち。無事、地球に戻れるのでしょうか。さあ、ハラハラドキドキの宇宙旅行に出かけましょう。

てんとう虫コミックス『大長編ドラえもんVOL.16 のび太と銀河超特急』1996年9月発行  

 

 ■原作者のことば

だれもが楽しめる夢いっぱいのお話をめざした『銀河超特急』!
 過去十七本の長編ドラえもんの作られ方を見ると、大きく三つのスタイルに分かれます。初期は主人公たちの活躍の舞台をどこに設定するかから考えを進めていく。例えば『のび太の恐竜』は白亜紀の地球へ、とか『宇宙開拓史』は遥か宇宙のかなたへ、とか…。
 これが次第に空想の世界に踏み込んでくるのが第二期。『魔界大冒険』『ドラビアンナイト』など。第三期は、すでに何度か行った場所を、ストーリーの切り口や語り口のバリエーションで見せようという、例えば『雲の王国』『夢幻三剣士』などがそれにあたります。と言ってもそんなにきっぱりと分類できるものじゃなく、いろんな要素がからみあってこうなってきたわけです。
 アニメ原作『大長編ドラえもん』は幼児から小学生まで大勢のみなさんに楽しんで貰うつもりでかいています。となると、作者として心がけねばならないのが、あまり話しを複雑にしないこと。つまり、幼児を置き去りにしないことです。前作の『創世日記』が「生物進化」「文明進化」をからめ、ちょっとややこしかったので反省し、次回作はなるべく単純に、ビジュアル主体の賑やかな話しをと考えました。『ドラえもん・のび太と銀河超特急』は、その意味ではうまく行ったと満足しています。原作のストーリー配分は、目的地につくまでのデモンストレーションに手間どり、その分ラストのクライマックスがかけ足になっていますが、映画では監督の芝山さんがカバーしてくれて何とか格好がついたようです。
 テーマパークは子供の好きなもののオンパレード。西部の町でガンファイト、中生代の恐竜たちと遊んだり、メルヘンの世界では主人公になりきったり、忍者星での厳しい修行…。怪奇と伝説の星や、海賊星などぼくとしてはまだまだ書き足りなかったのですが、ダレるからもっとはしょってもよかったという声もありました。いずれにしてもページ不足です。
 でも、ここまで総ざらえしちゃって次回作は何を書いたら良いんだろ…。

   1996年7月5日

てんとう虫コミックスアニメ版『映画ドラえもん のび太と銀河超特急』1996年8月発行  

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