タイトル

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魔界歴程の解読 「のび太の魔界大冒険」

 大長編ドラの中でも最高傑作と誉れの高い「のび太の魔界大冒険」。確かに連載第1回と最終回を結ぶあの伏線は見事というしかありません。

 さて、その傑作にもちょっと不可解な点があります。神官の秘文字で書かれているというこの書物、美夜子は最後の部分が解読できていない、とのび太に魔界歴程を託しますが、美夜子はドラたちと会話をするために翻訳コンニャクを食べているので魔界歴程を読むことができたはずなんですよね。魔界に旅立ってから何度も魔界歴程を開いている美夜子ですが、すんなり読めることに気づかなかったのでしょうか。
 

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かたづけラッカーとチータローションの意義 「のび太の宇宙小戦争」

 最高傑作とされる「魔界大冒険」の次の作品ということもあってか(?)、いまいちファンの間でも人気はいまひとつといった感のある「のび太の宇宙小戦争」。個人的には結構好きな作品なのですが・・・

 今回の話題は多くの方はちゃんと気づかれていると思うので、大きなお世話な内容なんですが、お気づきでない方も経験上結構みえるようなので、あえてご紹介します。

 さて、クライマックスでしずちゃんたちがスモールライトの効き目が切れて大きくなる場面。確かに効き目が切れてしまって元に戻るというのはかなりご都合主義という気もするのですが、藤本先生はちゃんと伏線を張られてるんですよね。

 それが「かたづけラッカー」と「チータローション」ですね。これら2つの道具は話の筋的にはPCIAに見つかるために使われてるのですが、この2つの道具の効き目が切れるというのは、後のスモールライトの効き目が切れるための伏線なわけです。ドラに「きき目が永久に続く薬なんてあるか!!なんにだって有効期限はあるんだ!!」と言わせることでダメ押ししてるんですね。
 

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鏡面世界の矛盾 「のび太と鉄人兵団」

 「のび太の宇宙小戦争」に続いてかなりハードな路線の「のび太と鉄人兵団」。ラストでの生まれ変わったリルルが地球を訪れるシーンは後ほど描き足しされたことはあまりに有名ですね。

 さて、この作品の舞台は鏡面世界、つまり左右が逆な世界ということもあって、いろいろ気を遣ってますね。例えば自由の女神の挙げている手が逆になっていたり(雑誌掲載時は逆になっていましたが…)、文字が逆になってたりと。ただ、ところどころミスもありまして、143ページでスネ夫は本屋で立ち読みしてきたと言っていますが、当然本だって左右逆になってるでしょうからとても読めないはずですし、その手に持っている袋には「BOOK」と書いて。
 

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リルル行方不明 「のび太と鉄人兵団」

 しずちゃんに助けられ、地球人捕獲作戦に疑問を感じ始めながらもなおメカトピアを裏切ることは出来ず、逃げ出すリルル。

 ドラたちがリルルが逃げたことを知るのは163ページでしずちゃんから聞かされてからなんですが、それ以前の157ページではドラたちの拠点がしずちゃんの部屋になっているので、この時点で薬で眠っているはずのリルルがいないことに気づいても良さそうなものなのですが、だ〜れも気づいてないんです(^ ^;)。
 

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日光ゴケとテキオー灯 「のび太と竜の騎士」

 地底におきざりにされたスネ夫を救出するために、多奈川の入口から地底世界に入り込んだドラ達。そして地底世界に入る直前の67ページの2コマ目、ふいに明るくなった際にドラは「あれはテキオー灯のせいじゃないぞ!」言っています。これ、ちょっとおかしくありませんか?ドラたちはテキオー灯を浴びていないはずです。

 この理由はちょっと複雑でして、てんコミの25ページで「日光ゴケ」を使っている場面はもともとコロコロコミックで連載されていた時はドラは地底を明るくするために「テキオー灯」を使っていたのです。そしてさらに62ページで川に入る際に62ページで使っている「水中酸素あめ」も連載当時は「テキオー灯」を使っていたのです。

 ですから、67ページで「テキオー灯」を浴びているドラが「あれはテキオー灯のせいじゃないぞ!」と言っているのです。ここのセリフを修正するのを忘れているわけですね。

 では何故「テキオー灯」を「日光ゴケ」と「水中酸素あめ」に描き変えなければならなかったかというと、全ては「日光ゴケ」のためですね。地底世界に自生していている「日光ゴケ」。しかしこれは22世紀のバイオテクノロジーが生み出した植物のはず。なぜ地底に自生していたのか?これはこの物語の重要な要素になるわけです。その「日光ゴケ」を物語の最初の25ページでドラに「テキオー灯」の代わりに使用させることで伏線を張っているわけです。
 

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ククルの子孫 「のび太の日本誕生」

 ドラたちがヒカリ族のククル達を日本に連れてきたことで、彼らが初めての日本人となったわけですね。のび太はククルのことを「ひょっとしてククルはぼくのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん…」と言っていますが、残念ながら(?)、ククルの子孫はのび太ではありません。では誰かと言いますと、藤本先生の作品「チンプイ」の主人公、エリちゃんこと春日エリなんです。これは「チンプイ」第5話「御先祖は日本王?」で自分の御先祖を調べていくうちに祖先はなんと日本最初の王ウンバホ氏だったということが分かったのです。

 比較的初期に発売された「チンプイ」第1巻ではこのウンバホ氏、ボサボサ頭をしているのですが、新しい版や「完全版チンプイ」では「のび太の日本誕生」の190ページで登場しているククル(ウンバホ)と同じ髪型に修正されています。
 

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マジックドゥーム? 「のび太と雲の王国」

 短編の作品とはほとんどリンクしていなかった大長編ドラでしたが、この作品で短編ドラで登場したゲストキャラが続々と登場、はては原作がまだ完結しないうちに映画が公開されてクライマックスにドラに決死のダイブをさせるなど、ファンを驚かせまくった「のび太と雲の王国」。個人的には結構好きな作品です。

 さて物語の出だし、雲の王国を隠すためにドラが出した道具、「マジックドーム」ですが、29ページではちゃんと「(M)AGIC DOME」と書かれているのに、「(M)AGIC DOOM」になっちゃてます。「DOOM」を日本語に訳すと「恐ろしい運命、破滅」などですから、かなりヤバイです(^ ^;)。
 

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「でも…」の後は? 「のび太とブリキの迷宮」

 チャモチャ星の首都、メカポリスに潜水艦で乗り込むことになったジャイアンとスネ夫。107ページの最後で、ジャイアンの「それで町へはどうやって?」という問いにサピオは「潜水艦があるよ。でも…。」というように「でも」で切っています。

 ところが次のコマではジャイアンが「潜水艦!?いっぺんのってみたかった!!」と言うコマになっています。これではサピオが「でも」の後に何を言おうとしたのかが分かりません。

 これも描き足しのために生じた矛盾です。コロコロ連載時には108ページの最初のコマはなかったのです。ですから、サピオは「潜水艦はあるけど、様子を探ってくるだけで、無茶しないでください。」と言いたかったわけです。
 

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