タイトル

 ■オバQを読んでスカッとしよう

田淵幸一   

 私は、発売中のオバQを全部読ませていただいた。いつもながら、まんがをみて感心することは、動かないまんが絵がいかにも動いているようにみえ、そのうえ、人の心や情が出ており、ムードもあるということだ。とにかくおどろいてしまう。
 まんが映画の製作の方も、ものすごく大変なことだと聞いているが、私はこうしたまんがの大ファンであり、大学時代、余暇をすごすときに、よく読んだものだ。テレビのオバQでは曽我町子さんがオバQのカゲの声をしていたが、その変わった声が強く印象に残っている。
 「巨人の星」のような考えさせるまんがもあるが、オバQはむしろ腹の底からわらえる要素をもっている。小さな子どもに白い大きな袋をかぶせたようなおもしろい姿、そのうえ大きな目、大きな口という異色のスタイルだけに人気があるのでしょう。オバQのかもしだすエピソードは、人間のいたずら精神をたくみに出している。わたしたちが小さいころは、いたずらを思う存分できたし、私もいたずらが大好きで、よく近所のおばさんにおこられたものだ。西部劇、チャンバラ、木のぼり、そして、となりのへいによじのぼって柿をとったりしたことなど、子ども時代の幸せな思い出だが、今の子どもたちは交通戦争のため、思い切って外で遊ぶこともできないという。かわいそうなことだが、それだけに現代はまんがの楽しみが子どもたちの心をとらえているのだろう。
 ラジオ、テレビが発達して、一見、世のなかがよくなっているようだが、あまりの自由、便利さが情をなくしていくようだ。
 オバQがイヌをこわがるのはちょっと残念だ。わたしは動物が大好きで、とくにイヌが好きだからだ。だがオバQがイヌを異常に恐がる様子はユーモラスで、思わず顔がほころんでしまう。
 テレビのオバQでもそうであったが、、いま単行本になったオバQを読んでいると、まんがのもりあがりに思わず知らず引きこまれ、オバQガンバレ!!と応援したり、自分がオバQであるかのような気持ちになってしまうこともある。
 まったくオバケのQちゃんは、人間のかたい、ゆううつな思いをふっとばしてくれる。

1970年 虫コミックス「オバケのQ太郎 8」より

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