カイケツ小池さん

 

  

 

 異常なまでの正義感を持ち、日々世の中の不正や悪に怒りを覚えている、冴えないサラリーマン、小池さんはある日、X線眼、怪力、飛行力などの超能力を身につけたスーパーマンになってしまう。
 彼は世の中の悪をせん滅すべく、働き始める。不良少年や暴走車、汚職代議士などを懲らしめるなど、彼の活躍はめざましかったが、ある日彼は痴漢の男を力余って殺してしまう。自らの罪に悩む彼だったが、自らを神としてその行為を正当化してしまう。
 そして、とうとう念じるだけで人を殺してしまうことができる力まで手にしてしまった彼は次々と気に入らない人々を「死刑」にしてしまう。
 そんな折り、かねてからの憧れの女性、雪子が不貞を働いていることを知った彼は…。

 

発 表:1970(昭和45)年4月
初出誌:ビッグコミック 1970年4月25日号
頁 数20ページ(初出時)
初出解説
 “《藤子不二雄・恐怖千一夜》”
 “●突然超能力を得た小池さん、正義の死刑執行人として力をふるうのだが……。”

未収録作品

 「ミノタウロスの皿」に続く、異色短編の第2弾。しかし、これまでに発行された短編集のいずれにも収録されていない数少ない作品である。解説を読んでいただければ、お分かりになると思うが、この「カイケツ小池さん」は「ウルトラスーパーデラックスマン」のプロトタイプともいえる作品である。ただ、内容としては「ウルトラ…」はこの作品の後日談的位置にある。
 未収録になっている理由としては、2つ考えられる。まず1つは同じ作品ともいえる「ウルトラ…」が存在していること、もう1つはこの作品の出来がいまいちであることが挙げられる。というのは、この作品、オチが完全にはついていないというか、はっきりしないのである。一応「世界だって破滅させることができる」と怒っている彼に向かってボールが飛んでくるラストのコマがシュールといえばシュールなのだが、やはり藤子・F・不二雄作品としては納得のいかないオチである。

(前略)『USDマン』の前に『カイケツ小池さん』という作品を描いているんです。『USDマン』の前編みたいなものですが、その中で小池さんというのは、ごく普通のサラリーマンなんですけど、ずいぶん陽の当たらない存在で、自分では正義派を信じてるわけです。せっせと投書したり、新聞読んでは毎朝腹を立てたりしてるんですが、それがある日、何かのはずみでスーパーマンになって、そうなったとたんに、だんだん私威的にふるまい始めるというところで終わる作品です。『USDマン』はその続編ということになりますが、こっちの方が気にいっていますね。

 


 

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