大予言

 

 

 

 

 

 ある暗殺事件を言い当てたことで売れっ子となった予言者、ノストルタンマ。彼は第三者をトランス状態にして予言させるという新手の予言者だった。
 ある日、彼は師匠である田呂都先生を訪ねる。何やら未来の恐るべき何かを予知してしまったため、ここ数年ノイローゼになってしまっているらしい。
 先生宅に到着したノストルタンマは先生に暗示をかけることで、先生の口から恐るべき未来を聞かされる…。

発 表:1976(昭和51)年4月
初出誌:SFマガジン 1976年5月号
頁 数7ページ
初出解説:“読切コミックス劇場3”

「やすらぎの館」     小学館 ゴールデンコミックス第2巻
「幸運児」        小学館叢書 異色短編集1
「気楽に殺ろうよ」    小学館文庫 藤子・F・不二雄[異色短編集]2
「征地球論」       中央公論社 愛蔵版 SF全短篇 第3巻

 『SFマガジン』に掲載された作品で、短編の中でもさらにページ数の少ないシリーズの一つである。しかしページ数は少ないながらも、いや、逆に少ないからこそ、この作品が与えるショックは大きい。
 1974年に始まる「超能力」ブームは凄まじいものがあった。ユリ・ゲラーの来日、「ノストラダムスの大予言」などの本、「エクソシスト」などの映画、あらゆるメディアで超状現象が取りざたされた。この作品はこれらの影響を受けて描かれたものであろう。
 さらに、この作品が描かれた1976年前後の日本は、「狂乱物価」と呼ばれた物価の高騰、人口増などによる破局への歯止めをかけるために叫ばれた「ゼロ成長」、完全失業者が108万人になるなどした「“ん”の字不況」などなどまさに混迷の時代であった。こんな時代の中発表されたこの作品は当時の読者を震え上がらせたであろう。しかし、20年以上経った今でもなお、この作品はさらに説得力を増して我々に語りかけてくる。

【『複合汚染』】
 有吉佐和子が朝日新聞に1974年10月から8ヶ月にわたって連載した小説の題名。農業は化学肥料で土地は衰弱しており、作物は農薬まぶし、加工食品は各種の防腐剤、着色料で危険がいっぱい。しかもそれら一つ一つの恐ろしさに加え、これが複合して毒性が相乗作用したらどうなるかと警告を発したもの。

 修正というわけではないが、予言者の名前が2ページ目では「ノストタンマ」となっているが、4ページ目では「ノストタンマ」となっている。これは初出誌から全ての単行本にかけて見られる。
 また、最後のページの4コマ目、「気も狂わないでいられるみんながこわい!」が小学館文庫のみ「平気な顔をしてられるみんながこわい!」に変更されている。

 


 

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