『オバQ』の世界のことに触れてばかりですが、ここでは『オバQ』連載当時の様々な出来事を扱っていきます。

『オバケのQ太郎』の予告編


 ちょ〜っと著作権的にヤバイことをやっていますが(^ ^;、こういった絵は今後二度と世には出ないと思いますので、あえて載せてしまいます。

 『ドラえもん』の予告編は皆さんご存じだと思いますが、これまで『オバQ』の予告編は藤子先生の話にはよくあがっても、絵が紹介されることはありませんでした。

 この『オバQ』予告編は、第1回目の前号にあたる、週刊少年サンデー昭和39年5号に掲載されたもので、が85ページ、が最後のページの次号予告に掲載されたものです。

 「かわいいオバケ」ということですが、どう見てもかわいくないと思うのですが…。とにもかくにも、これがQ太郎が初めて子どもたちの前に現した姿だったのです。

本当にオバQの連載を終わるつもりだったのか


“連載の予定は7回でしたが、13回まで延長し、「オバケのQ太郎」はいったん終わりました。読者の反応が、あまりバッとしないからという理由でした。それから約一ヶ月、ボクたちがQ太郎を忘れたころ、連載した雑誌の編集長が〈どうしてオバQをやめたのか!またはじめてください〉という、読者のハガキを持って現れたのでした。”

 苦労して生み出された『オバQ』も、人気が出なくて連載第9回で終了し(13回というのは記憶違いと思われます)、その後読者からの猛烈な抗議で再開した、というのは藤子ファンの間では有名な話なんですが、これは本当だったのでしょうか。

 確かに、「週刊少年サンデー」昭和39年14号掲載の「名画をかこう」で、連載は中断し、2ヶ月後の24号掲載の「魔球でやったるで」で復活しています。ただ、14号には“今週から、しばらく、Qちゃんとは、おわかれ!!また、あう日までバイバイ!!”となっていたのです。この文面からすると、連載は再開するつもりだったようにとれるのですが…。

 とりあえず連載を中断して、読者の反応を見るつもりだったのでしょうか。結局読者からの抗議があったから良かったものの、この時読者の反応がなかったらその後の『オバQ』も『新オバQ』もなかったわけですから、当時抗議の手紙を出した方々には感謝ですね。

 ちなみに、連載が再開された時の表紙には“熱望にこたえて新連載”となっていました。

オバQ協奏曲


 本名Q太郎、通称「オバQ」というかわいいオバケが、テレビマンガで子どもたちに大人気だが、最近“オバQのオバケ”が町にはんらんしている。著作権法違反のオバケだ。お菓子類はもちろん、指人形にピクチュアパズル、お面にゴム風船、ビニール人形など、さすがオバケだけあって、ありとあらゆるものに化けて出回っている。高額の著作権料を払って菓子、食料品にオバQを使う商標権を買った菓子のF社では目下、オバケ退治に大忙しだ。

 大学生も愛読するという子どもマンガだが、読者の主流はもちろん子ども。ガム、チョコレートなど子どものお菓子にマンガの主人公を結びつけるアメリカ式の商法は、テレビマンガのブームとともに始った。ポパイとアトムと鉄人28号が、お菓子の売上げをかけて戦ったのは二、三年前だが、いまでは宇宙少年、遊星少年、狼少年といろいろなスーパー少年が大活躍。マンガの主人公を持たない製菓会社はほとんどない。
 これらの人気者は、それぞれ著作権法違反のニセモノを生んできたが、昨年八月にブラウン管に登場したオバケのQ太郎(作者、藤子不二雄氏)で、ニセモノブームは最高潮に達したようだ。
 他の製菓会社と争奪戦を演じた末、年間数千万円といわれる著作権料を払ってF社が「オバQ」の商標権を獲得したのは昨年二月。テレビマンガのスタートと同時に、売上げはぐんぐん伸び「ガムでもチョコレートでも、オバQは、ポパイより十倍強かった。」(F社企画部員の話)とか。
 ところが、この人気に便乗して、F社の商標権を侵害するオバQのオバケが次々に出現した。有害色素をふんだんに含んだオバQあられ、中には法網をくぐったつもりの“オバQキャンデー”“オバKチョコ”など。
 F社の話では、作っているのは、大阪、名古屋方面のダ菓子メーカー四、五十社。はじめから著作権法違反は承知の上の計画的な“一発勝負”らしく、一回に四、五十万ケースぐらい造って、手早くダ菓子屋へ卸す。店頭でF社のセールスマンや問屋の店員が発見して、F社から弁護士が乗込み、残品があれば消却させるが、その時には、在庫品ゼロというケースがほとんどだという。
 テレビ登場の二週間後には、オバQのオバケ第一号が出現、以来、F社が退治したお菓子関係の著作権法違反だけで約百件。
 「ニセ物でも、品質さえよければ、ある程度目もつぶれるが、粗悪品ばかりで、消費者からとばっちりのおしかりを受けたりして大迷惑。オモチャにも、ニセモノがはんらんしており、これではせっかくのオバQが、早くあきられてしまう」と、F社はいっているが、現代のオバケ退治、なかなか大変らしい。

 これは、昭和41年1月16日付の朝日新聞に掲載された記事です。記事の中のF社はもちろん、不二家のことです。20数年経った今でも著作権違反の商品は後を絶ちませんが、『オバQ』の時はすさまじかったようですね。こんなところからも、当時の人気が伺えます。この現象を受けて、小学館の学習雑誌にも“「C小学館」マークのついていないニセモノには注意しましょう”といった異例の広告が掲載されました。
 この騒動を元に描かれたのが、週刊少年サンデー昭和41年9号(2月19日発売)掲載の「にせものがいっぱい(初出時タイトル:にせものあらわる)」でした。

    

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