タイトル

 

 ■藤子・F・不二雄インタビュー■

 
(中略)『オバケのQ太郎』の場合にはスタートは二人でアイデアをやって絵はキャラクターを分担して、安孫子君が正ちゃん、お兄さん、小池さんですよ。あと家庭回りオバケ回りを僕がやって、よっちゃん、ゴジラ、博士、ああいったものを全部石ノ森章太郎がやって背景を北見けんいち君がやって、というような形。それでほんのわずかで中断しちゃったのね。再開されてからはアイデアは全部僕がやって。その連載がアニメ化されたりすると学習誌にも広がって、その時石ノ森章太郎や北見けんいち君がやってたその部分を僕がやって、そういう形での合作です。

 ──『オバQ』も連載当時は毛が三本じゃなくてふさふさあったと。
そうそう。

 ──あれは毛が三本というのは途中から意図して変えたのですか。
なんとなくそうなっちゃったっていうかね。やっぱりキャラクターの一人歩き現象というか落ち着くべきところに落ち着いたという感じで気がついてみると三本に定着してたんですよ。どういうんだろうね。不思議ですね。最初は何本なんて全く考えないで描いてたんだけども、ある時期になったら三本に落ち着いてて最初からやっぱり三本じゃなかったらおかしかったんだということで。

 ──唄にも出てきますからね。
そうそう。僕の漫画は全部そうなんだけどかなり行き当たりばったりにやってましてね。正ちゃんは名前からいうと長男なんですよ。正太で太がつくからね。だけども描いてるうちにこれはやっぱり兄貴がいた方が都合がよくないかということで、じゃあ兄貴出そうやって。それで兄貴を作っちゃって(笑)。住んでた家が最初平屋だったのがなんか二階がなきゃ不便だから二階つけようと(笑)。

社長がしょっちゅう出てくるんです。それは石ノ森氏の守備範囲にて入って来るんですよ。正ちゃんのパパの勤めている会社の社長ね。行って来るごとに社長が変わっているんですよ(笑)。単行本にまとめる時に全部顔切り抜いて描き直しちゃって。同じ顔の社長に統一しましたけどね。※1

 ──石ノ森さんが鉄だった時には原稿料とかはどうでしたか?
原稿料は全部スタジオゼロの収入になるんです。

僕らは雑誌掲載の原稿料については全然もらわない。というのはスタジオゼロの収入が他になかったの。社員に月給を払わなきゃいけない。だから他に連載していたのは『ワカトノ』ですよ。

「まんだらけ12」より 1996年3月発行 前年夏のインタビュー

※1 虫コミックス収録時に描き直しがされたため、虫コミックスには収録されなかった作品で、
   藤子不二雄ランドには収録された作品に登場する社長は昔のままとなっている。

 

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