タイトル

 

 ■藤本弘からひと言■

 
  スクラップから

〈新番組『オバケのQ太郎』素直で明るい人気者。子どもさんなら御存じ〉

〈TVマンガに新風吹込む。漂う家庭的な明るさ。宇宙忍者物やっと下火〉

〈ギャグ重点のマンガ『オバQ登場』雑誌で好評。“新分野を”自信の局側〉

〈このQ太郎の性質は、子どもの欲望なり夢なりを単純に誇張して形を与えたものといえよう。人気の原因は案外そんなところにあるらしい。だが、この番組は必ずしもできのいいものとはいいかねる。絵がまずい。もともと少年誌の原画もポンチ絵のながれで、面白い絵ではないが、テレビはさらに悪くなっている。〉

〈子どものつきあいで三十分見た。義理人情を強調したところ、ややナニワ節的傾向がある。チェコのまんが映画の叙情詩のような美しさは、ブームの対象とはなり得ないのであろうか。この次はドタバタでない国産マンガでブームをつくりだせないものか〉

〈オバケという非現実的存在が家庭という現実的な場に住込んだらという着想が、まず面白く、これまでの国産漫画にはなかったものだ〉

〈オバQ銀幕へ進出。驚異の視聴率にのって〉

〈宇宙マンガ食う。バカ当りのオバQ〉

〈オバQも飛出す。人気集めたカーニバル〉

〈火遊びはいけないぞ。私の防火運動オバQも一役〉

〈児童まもるゴム製Qちゃん。交通事故防ぐ新兵器〉

〈スポンサーの某お菓子メーカーは、予期せぬ人気に悦に入って「わが社の企画力」をと、大いに宣伝しております〉

〈オバQ続々誕生。江戸川おもちゃ工場はフル操業。不況、不況と青息吐息のご時勢に、これはうらやましい商売繁盛ぶり〉

〈バケるオバQ。手をやく本家・侵害される商標権。ニセモノ百件退治〉

〈ブーム呼ぶマンガソノシート。百万冊売ったオバQ〉

〈春闘はオバQから。太田総評議長談〉

〈オバQ強盗登場。川崎。出刃で脅し千円奪う。犯人は白布被ったオバQスタイル〉

昭和52年 毎日新聞社「二人で少年漫画ばかり描いてきた」より

 安孫子先生による著書の各章に前書きとして掲載された文章のうち、「第十章 オバQ狂騒曲にのって」に対する前書きだが、文章ではなく、当時の新聞のスクラップの見出しを羅列しているのみであった。

 

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